ひな祭りと父の背中

桃の節句が近付くと思いだされるのは父の背中です。

我が家のひな祭りは、毎年大仕事でした。六畳の和室に母の内裏雛、姉のケース入りお雛様に市松人形、そして私の段飾り。贈ってくれたのは母方の祖父ですが、所狭しと華やかに飾るのは父の仕事でした。

小さな頃からそれを手伝うのが大好きで、段飾りの並び順は大人になった今でもしっかり覚えています。
いつもは短気ですぐに怒る父でしたが、ひな人形を飾りながら、どんなに眺めていても失敗しても怒られた覚えがありません。今思っても、毎年幸せな時間でした。

姉も私も結婚して家を出ると全てを出すことはなくなったようです。現在の住まいは賃貸で狭いので、段飾りを持ってくるスペースがありません。

私には息子しかいないので子供用に新たなひな人形を買うこともなかったのですが、数年前、手のひら大の内裏雛を自分用に購入しました。紙粘土と和紙でできた小さなかわいらしいお雛様です。

TV台に文庫本サイズの毛氈を敷き、金屏風とお雛様を並べます。目の前にあるのは自分で買った小さなお雛様ですが、その向こうに透かして見るのは、私が物心つく前に亡くなった祖父と、今でも何かにつけて気遣ってくれる父の愛です。

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