父の日のサプライズで父が日常生活でも使えそうなジャケットと靴下をプレゼントしました。
父は明るくいつもお酒ばかり飲んでいる不器用な性格です。突然の娘たちからのプレゼントに戸惑っているような様子ではありましたが、喜んでいました。
そんなある日、父の日の誕生日に兄がROLEXの時計をプレゼントしました。こころなし素直に喜んでいるという様子ではありませんでした。私はその時はなにも不思議に思ってはいませんでした。
後日、台所でゴミの買収日にゴミ箱のゴミを整理していた日のことです。なんと、先日父が兄からもらったはずのROLEXの時計がゴミ箱に捨ててあったのです。
私は驚きました。なぜなら父は未だにボロボロの千円の時計を大切に使用し、兄からもらった高級腕時計をゴミとして捨てたのです。
そこには父からの隠れたメッセージが読み取れました。兄から高級腕時計をもらう事が嬉しかったわけではない。そんな事よりももっと他に大切なものが沢山あるということです。
父は兄から高価なものを受け取りたいのではなく、家族でしか得ることのできない温もり、優しさ、笑顔、お金では買えない大切なものがあると言いたかったのです。
確かに兄はいつも名誉を求めていました。成功して誰からも認められたい。立派な家に住みたい、車がほしい。
しかし、あくまでそれは兄の夢であり、父の夢ではありませんでした。この事は今でも兄には秘密にしています。